ショパン・フェスティバルは4日に最終日を迎え、ランチタイムに片田愛理さんのコンサートがありました。土曜のお昼ということもあって、日中の明るい中で盛況となりました。プログラムはシューマンとショパンで組まれています。
水色のドレスで登場した片田さん。まずはシューマンの《幻想小曲集》からの抜粋で、みずみずしい感性を漂わせました。〈夕べに〉で場の空気をつかんでから、〈飛翔〉ではテクニックだけでなく表現も確固としたものを提示しました。〈夢のもつれ〉や〈歌の終り〉では、息遣いや音の作りこみのよさがひときわ耳を捕らえました。
ショパンは4曲が演奏されました。最初のワルツ2曲は、小曲ながら可憐な感じが印象的な演奏でした。即興曲第3番では、ショパン特有の甘い響きや吐息のように流れるフレーズが生き生きと客席を伝わっていきました。バラード第4番では最後まで乱れない集中力で次から次へと畳み掛けるような魅力的な演奏に、大満足の拍手が客席から送られました。
アンコールには、ショパンのエチュード《黒鍵》をそよ風が吹くように弾きあげてくださいました。若さあふれる期待のピアニスト片田さん、今後の活動を楽しみにしています。
(T.)