今年もショパン・フェスティバルの季節となりました。2012年は、生誕150周年を迎えるドビュッシーとショパンとの関わりに焦点を当て、様々な演奏会が開催されます。
初日のランチタイムは、山田剛史さんのコンサートです。本日のプログラムは、『“Dancing,
Swing
Chopin”―ショパンは揺れ、そして踊る』をテーマに構成されていました。
コンサートは、《ノクターン第3番
ロ長調Op.9-3》で幕を開けました。続く《ワルツ第2番
変イ長調Op.34-1〈華麗なる円舞曲〉》では、スウィング感の溢れる力強い演奏をされ、《即興曲第2番
嬰へ長調Op.36》では、羽が舞うような柔らかい音色と和声の絶妙な変化の美しさが際立っていました。
次は、ドビュッシー《子供の領分》より〈雪は踊っている〉を演奏。冬の寒気や、雪がパラパラと幻想的に舞っている様子が目に浮かぶようでした。そして再びショパンに戻り、《バラード第4番
ヘ短調Op.52》です。ドビュッシーで描かれていた雪が舞うような前奏に始まり、次々と物語を紡いでいくような演奏を聴かせてくださいました。
ドラマティックなバラードを堪能した後は、イ短調のワルツ2曲(《ワルツ
遺作》と《ワルツ第3番Op.34-2》)です。メランコリックな旋律の表情が細やかに描き出され、作品の奥深さを改めて実感いたしました。最後の《スケルツォ第3番
イ短調Op.39》では、爽快で生き生きとした演奏を聴かせてくださり、客席から大きな拍手が贈られました。
アンコールに有名な《ノクターン嬰ハ短調
遺作》を演奏してくださり、短いながらも大変充実したひとときとなりました。
(K.S)