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ショパン・フェスティバル2012 in 表参道
岩崎洵奈 ランチタイム・コンサート 開催レポート
2012年5月31日(木)12:00開演
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」

 

 引き続きショパン・フェスティバルの一貫として開催されました、本日のランチタイムコンサートでは、ピアニストの岩崎洵奈さんがドビュッシーとショパンのプログラムを演奏されました。ウィーンで4年以上も勉強されていたという岩崎さん。素晴らしい演奏をされたのはもちろんのこと、曲間ではご自分の留学先での体験談や楽曲に対する思い入れをお話になり、コンサートを盛り上げていらっしゃいました。

 岩崎さんの演奏は、とても高度な技術力が伺えるものでした。滑らかな指回りで、曲に合わせて次々と音色を変えていってしまうので、「魔法の指を持っているのでは!?」と思ってしまうほどでした。なかでも印象的だったのは、岩崎さんがご自身の美術館での所感をふまえて演奏されたというドビュッシーの≪喜びの島≫でしょうか。「パレットの上で色を混ぜてから描くのではなく、直接キャンパス上で原色を塗り重ねて表現している」とご自身が語った通り、岩崎さんの≪喜びの島≫は、全体の幻想的な雰囲気の中で、音と音が互いを主張し合い、より立体感や躍動感を感じる演奏でした。

 プログラムの最後である≪アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ≫もまた、岩崎さんの楽曲への思いを強く感じさせる演奏でした。岩崎さんは留学先のウィーンで、舞踏会に連れて行ってもらった時のことが、とても思い出深いとお話していらっしゃいましたが、そんな思い出が繁栄されてか、特に後半のポロネーズは、華やかさの中にもどこか甘美な懐かしさを感じるものでした。

 今回のコンサートは、絵画や舞踏が話題に挙がったこともあり、音楽を聴きながら美術館や宮殿に足を運んでしまっているような気分になりました。ヨーロッパの芳香が漂う、素敵なコンサートでした。

(A. T.)

 


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