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ショパン・フェスティバル2012 in 表参道
宮崎翔太 ランチタイム・コンサート 開催レポート
2012年6月2日(土)12:00開演
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」

  

  いよいよ最終日を迎えたショパン・フェスティバル。ランチタイムには桐朋学園大学を卒業したピアニスト宮崎翔太さんが登場しました。会場にはたくさんの方が集まり、にぎやかなコンサートとなりました。

 プログラムは「心の中に響く音と風景」をテーマに、ショパン4曲とドビュッシー4曲で組まれています。冒頭のノクターン変ホ長調での、ほどよく落ち着いた雰囲気から感じられたのは、風にうっすら香る新緑の息吹。2曲のマズルカでは、独特の踊りのリズムに載せて、すべての一音一音に独立した響きが伴っています。

 ドビュッシーの《音と香りは夕暮れに漂う》では、ある短いフレーズに日本の情緒に近いものを感じました。ドビュッシーはパリ万博で東アジアの文化に触れていましたから、彼が当時肌で感じていた音の風景がどんなものだったか想像するとおもしろいです。《喜びの島》では、宮崎さんの細やかな音作りが非常に生きた演奏でした。それは、無機質とも思えるほど一つ一つの音が自立していて拡散していく音模様となって客席へ届けられました。最後の華やかな盛り上がりに、客席は盛大な拍手を贈りました。フェスティバルは終わっても、新たなドビュッシー演奏をこれからも聴いていきたいと思います。 

(T.)

  


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