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仁田原 祐 ランチタイム・コンサート 開催レポート
〜ショパン 充実した日々の心を追って〜

2014年6月3日(火) 12:00開演(11:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」

 

 パウゼで開催されているショパンフィスティバル2014 in 表参道に足を運んできました。本日のランチタイムコンサートで演奏されたのはピアニスト仁田原祐さん。「ショパン 充実した日々の心を追って」と題し、1839年からおよそ3年間の間に作曲された様々な楽曲にフォーカスされた大変興味深い素敵なプログラムでした。

 平日のお昼にもかかわらず会場は満席。熱い眼差しがステージに注がれる中、最初に演奏されたのはスケルツォ第3番嬰ハ短調Op.39です。仁田原さんご自身4つのスケルツォのなかでも「最も劇的」と言われている通り、コンサートの冒頭に相応しいドラマティックな名作を仁田原さんは大変スタイリッシュに演奏されました。

 続いて演奏されたマズルカOp.41-1,4や、ワルツ変イ長調Op.42はサロン的な雰囲気を覗かせつつ爽やかに駆け抜けるように、大作バラード第3番変イ長調Op.47へと続きます。仁田原さんの演奏は作品の物語性というよりは、構成感やショパンの革命的なピアニズムや和声の斬新な捉え方が生き生きと蘇る演奏でとても新鮮に感じられます。

 そして、ノクターンハ短調Op.48-1では深みのある表現が聴かれました。通常のショパンのノクターンの一般的なイメージとは異なり、大変ドラマティックかつ幽玄な性格を持つ傑作です。その作品の本質を表現するに相応しい質感豊かなタッチ、クリアーな構成感は見事でした。

 締めくくりは幻想曲Op.49ヘ短調。先のノクターンの余韻を残すかのような冒頭の葬送行進曲風の序奏から始まり、ショパンの円熟期の豊かな抒情性が自由な展開の中で即興的に表現されていきます。ピアノリサイタルでは大変よく演奏される名作ですが、今日のプログラムで聴くと、作品の持つ深い意味に改めて思いを凝らすことができました。

 会場の拍手喝采に応えて演奏されたのは軍隊ポロネーズ。プログラムに添える花として大変相応しいだけでなく、若々しい鮮烈な演奏でした。仁田原さんの今後のご活躍が大変楽しみです。

(G.T.)

 


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