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関本昌平ピアノリサイタル 開催レポート
ショパンとの会話〜10年の時を経て
ショパンコンクールより10年、再びショパンへの想いを奏でる
2015年5月27日(水) 19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」

 

 ショパン・フェスティバル3日目夜の公演は、ピアニスト関本昌平さんのピアノリサイタルが開催されました。関本さんが2005年に行われた第15回ショパン国際ピアノコンクールで第4位を受賞されてから今年で10年が経ちます。本日はサロン向けの小品から大曲までに及ぶオール・ショパン・プログラムで迎えてくださいました。

 関本さんの演奏は、楽曲に込められた意図を巧みに汲み取り、生き生きとした音楽を表現されているように思いました。

 リサイタルの幕開けに演奏されたのは、《英雄ポロネーズ》Op.53。勢いのある力強い演奏で、聴衆の心を一気に掴みます。続いて、ワルツを2曲披露されました。《子犬のワルツ》Op.64-1では、軽やかで無邪気な演奏を、《ワルツ 嬰ハ短調》Op.64-2では、洒落ていながらもメランコリックな演奏を聴かせてくださいました。前半最後の《スケルツォ第2番》では、自然な息づかいで伸びやかな演奏を展開され、まるで一つの物語を語っているようでした。

 休憩を挟み後半は、《24の前奏曲》Op.28を披露されました。ショパンの持つあらゆる音楽語法が集結したようで興味深く聴かせいただきました。中でも、音色の豊かさと響きの美しさは印象的で、一曲一曲に、絵画のような遠近感が感じられ非常に立体的な演奏でした。ピアノの持つ魅力と可能性を改めて認識したように思います。ダイナミックで充実した演奏に客席から盛大な拍手が贈られました。

 鳴り止まない拍手に応えられ、アンコールに《ノクターン変ニ長調》OP.27-2を演奏してくださいました。限りなく繊細な表現をされ、一音一音が心に染み渡るような演奏は大変素敵でした。

 名曲を中心に、盛り沢山のプログラムで迎えてくださったリサイタル。関本さんの演奏を通じてショパンの魅力と作曲家としての偉大さを実感した素晴らしいひとときとなりました。

(K.S)


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