『ショパン・フェスティバル in
表参道』、最終日のランチタイムコンサートには、10月に開催されるショパン国際ピアノコンクールのコンテスタント、アンジェイ・ヴェルチンスキ氏が出演しました。彼は95年生まれのポーランド出身、現在カトヴィツェ音楽アカデミーに学んでいます。“ショパン”の名を冠したコンクールで数多くの優勝・入賞経験を持ち、今年の2月に開催された『All-Poland
Fryderyk Chopin Piano
Competition』で優勝したことで、ショパンコンクールには予備審査なしでの参加を決めています。秋の大会前に一足早く演奏を聴かれる機会とあり、席を増設するほど人気の公演でした。
プログラムはもちろんすべてショパンの作品から。〈スケルツォ第3番〉は、高音域から輝きに満ちた音が降り注ぎ、最後の盛り上がりは力強く、重厚感のある低音が響きます。〈バラード第2番〉《ソナタ第3番》と続き、演奏会の最後は〈英雄ポロネーズ〉。落ち着いた演奏から、堂々と自信にあふれた英雄が浮かびました。
アンコールには〈マズルカ第16番〉を。ショパンコンクールでの活躍が楽しみになる、1時間のショパン・プログラムでした。
(R.K.)