ショパンの音楽一色に染まる1週間、『ショパン・フェスティバル』が今年も始まりました。初日のランチタイムコンサートに出演したのは、昨年ショパン音楽大学を首席で卒業された竹田理琴乃さんです。
今年のテーマは“練習曲(エチュード)”。練習目的のみならず、深い音楽表現をも兼ね備えたのがショパンの練習曲です。開催される12のコンサートで、ショパンを中心とした作曲家の練習曲が取り上げられます。
竹田さんのプログラムは2曲ともショパンによるもの。まず披露されたのは練習曲のOp.25-5、ショパンの練習曲のなかでは控えめな存在です。冒頭は気まぐれな雰囲気ですが、中間部ではショパンらしい優美な旋律が現れます。のびやかに、きらびやかに、そしてどこか懐かしい雰囲気も漂う幸福感に満ちた演奏でした。
続いて演奏されたのは《24の前奏曲》。演奏前に「各曲の表情を変えて弾くように頑張ります」と意気込みをお話しされました。感情を露わにするものもあれば、竹田さんの穏やかな心に触れられるような演奏など、瑞々しく素直な音楽が印象的でした。
ランチタイムコンサートはすべての公演においてチケットは完売していますが、イブニングコンサートで“ショパンのエチュード”を堪能してはいかがでしょうか。
(R.K.)