ショパン・フェスティバル2日目のランチタイムコンサートは、東京藝術大学大学院修士課程に在学中の鐵百合奈さんがご出演されました。プログラムは『思い出のショパン』をテーマに、鐵さんの思い出の詰まった曲で構成されていました。
たくさんの聴衆で埋め尽くされた客席を前に登場された鐵さん。白いドレスがステージに映えています。
最初は《練習曲》Op.10より、第1番、第2番、第3番〈別れの曲〉、第4番、第12番〈革命〉です。いずれも難曲ですが、安定感のある丁寧な演奏で聴衆を魅了しました。次に演奏された《ノクターン嬰ハ短調》遺作では、曲の繊細な表情を巧みに表現されていました。そして《バラード第1番》では、物語性のあるダイナミックな演奏を展開され、《3つのエコセーズ》では、舞曲のリズムが活きた軽快な演奏を聴かせてくださいました。
プログラムが進むにつれて、鐵さんの演奏はさらに勢いを増していきました。《英雄ポロネーズ》では、躍動感のある力強い演奏を披露されました。煌びやかな《幻想即興曲》を経て、最後に演奏された《舟歌》では、華やかで色彩豊かな響きが印象的でした。
ブラボーの歓声とともに盛大な拍手が贈られ、アンコールに《小犬のワルツ》を演奏してくださいました。それぞれの作品に対する鐵さんの深い愛情が伝わってきた素晴らしいコンサートでした。
(K.S)