1週間にわたり開催された『ショパン・フェスティバル』。最終日のランチタイムコンサートは、特別ゲストとしてポーランドからクシシュトフ・クションジェクさんが出演しました。
現在ポーランドのビドゴシチ音楽アカデミーに学ぶクションジェクさんは、数々のコンクールでの優勝経験を持ちます。ポーランド国内で開催されたショパン・コンクールで優勝、予備予選免除で参加した昨年のショパン国際ピアノコンクールでは、セミファイナリストとなりました。
プログラムはもちろん“オール・ショパン”。〈前奏曲作品45〉、《5つのマズルカ作品7》、〈ワルツ第5番〉、《4つのマズルカ作品30》、〈スケルツォ第1番〉、《3つのマズルカ作品50》と、〈ポロネーズ第5番〉の7曲です。
特にマズルカやポロネーズは、ショパン・コンクール時もほかの出場者と比べ、ひときわインパクトのあるものでした。この日もユニークな解釈と、彼のなかに自然と生きるリズムの演奏で心をつかみました。
若手のショパン演奏のなかには、スピードや技巧に走るあまり、やや攻撃的な演奏もときに聴かれますが、クションジェクさんは作品の根底に流れるものは何なのか、楽譜や音楽の何を見るべきなのかということが伝わるような演奏でした。今後の活躍にも期待が膨らみます。
(R.K.)