テーマを「前奏曲」とした『ショパン・フェスティバル2018』。5日目となる6月1日のランチタイムコンサートは、古海行子さんの出演となりました。
この日のテーマは『ショパンの生涯を追って〜色とりどりの小品と共に〜』。ショパンの生涯を、プレリュードをはじめとする様々な小品で辿っていくというコンセプトです。
冒頭はノクターンロ長調op.9-3から。一つ一つ響きを確かめるかのように淡々と音を紡ぎ出します。次のワルツ変ホ長調op.18「華麗なる大円舞曲」は軽やかに勢いを持って。「24の前奏曲」op.28より第7番、第8番、第13〜15番では、しっとりと弱音を丁寧に響かせました。
スケルツォ第2番変ロ短調op.31はいよいよ推進力を持ち、まさにスケルツォの意味を彷彿させる演奏。緩急の対照も見事なものでした。次のタランテラ変イ長調op.43でも、スケルツォに続いてショパンの陽の部分を鮮やかに見せました。
そして「3つのマズルカ」op.59では、隠の部分をしっとりと魅せます。
最後の舟歌嬰へ長調op.60は、たゆたうその流れ、たっぷりとした情感ですばらしく、ショパンの円熟を表現。コンサートの白眉となりました。
アンコールの「黒鍵のエチュード」は軽やかに、後味の良いデザートといった趣。音楽に勢いがあり、推進力のある古海さんのコンサートはあっという間の1時間、華やかな盛り上がりのうちに幕を閉じました。
(Y.A.)
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