日本・ポーランド国交樹立100周年、そして10周年を迎えた『ショパン・フェスティバル2019』。5日目となる5月31日のランチタイムコンサートは、木米真理恵さんの出演です。
この日のテーマは『マズルカと辿るポーランドのまなざし』。ショパンのマズルカを軸として紡いでいく趣向となりました。
冒頭はショパンの4つのマズルカop.7。身体全体から湧き出るリズムで、軽やか且つ勢いのある音を響かせていきます。
次は吉松隆の『プレイアデス舞曲集1op.27』より『アップル・シード・ダンス』。日本人の作品をプログラミングするにあたり「やはり踊りの曲を。そしてポーランドに何か通ずる作品がいいなと思って」ポーランドで馴染みのあるりんごをタイトルに冠したこの作品を選んだとのこと。マズルカとは異なるリズムもまた芯で捉えての好演となりました。
そしてショパンに戻り、4つのマズルカop.33。繰り返されるマズルカのリズムが心地よく、しっとりと魅せました。
次は同じくポーランドの作曲家シマノフスキの練習曲変ロ短調op.4-3とマズルカop.50-2。練習曲は、独特の和声の響きを確かめるかのように、マズルカでは一転、リズム鮮やかに楽しむように。
最後はまたショパンに戻り、3つのマズルカop.59。手の内に入った円熟味の感じられる好演。
アンコールにはマズルカop.30-3。和やかにコンサートの幕は下されました。演奏で魅せたのみならず、合間に挟まれる木米さん自身のトークも穏やかで緩急の効いた素敵なものでした。
(Y.A)
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ランチタイムコンサート