内容
《ポーランド問題 La
question
polonaise》は、18世紀末から20世紀末まで有効だった呼称です。今で言えば《ウクライナ問題》のように、ヨーロッパ中の人々がその情勢を注視し、知識人には態度表明を迫った国際問題でした。三国分割をヴォルテールやプーシキンは容認しましたが、ルソー、ユゴー、マルクスは批判しました。「ポーランド人を見捨てるか、助けるか?」という問いは、知識人や政治家にとっての踏み絵でした。そんなことを少し広く概観した上で、ショパンが祖国について考えていたことを彼の言葉から探ります。できれば「ショパンとポーランド語」、「ショパンとポーランド人」という話題にも触れたいと思います。