日本ショパンピアノコンクール2010 本選 開催レポート
2010年3月29日(月)
主催:日本ショパン協会
協賛:(株)河合楽器製作所
会場:洗足学園前田ホール
第一位:宮崎翔太
第二位:石井楓子
第三位:北端祥人 日本ショパンピアノコンクール2010の本選が、3月29日洗足学園音楽大学前田ホールにて行われました。2度の予選を通過した3名が、この舞台でショパンのコンチェルトを演奏しました。予選の時と同様、コンクールらしい緊張感があるものの、コンチェルトということで、ある種の華やかさや期待感の方が前面にあったように感じました。
まず最初に演奏したのは、石井楓子さん。コンチェルト第1番を演奏されました。この作品の持つ力強さと繊細さを、非常に美しく表現していたように思います。続いては、北端祥人さんで、同じく第1番の演奏です。音楽の流れがよく、躍動感のある演奏が印象的でした。そして、最後の宮崎翔太さんは、第2番を深みのある音と表現力で魅力的に聴かせていました。3人とも、それまで積み重ねてきたこと、そして自身の個性を存分に発揮した演奏だったのではないでしょうか。
講評の際、審査員の1人である横山幸雄先生が“審査は僅差だった”とおっしゃっていましたが、聴衆として聴いていると、どの演奏も心から拍手を贈りたくなる本当に良い演奏でした。やや残念だったのは、会場に空席がみられたこと。若きピアニストたちの挑戦を、もっと多くの音楽愛好家で見守ってあげられたらなと思いました。それでも、素晴らしいマエストロ秋山和慶氏の指揮でコンチェルトを演奏できたことは、このファイナリストたちにとってかけがえのない経験になったはずです。ワルシャワでのショパンコンクールも含め、今後さらに活躍していってほしいと思います。(M.)
表彰式の様子