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日本ショパンピアノコンクール2015 開催レポート

本選レポート / 2015年3月20日(金)10:00〜

 3月20日、日本ショパンコンクールの本選が洗足学園前田ホールにて開催されました。ファイナリストは、43名の出場者の中から厳しい審査を通過された6名です。課題曲は、マズルカの1シリーズと、ソナタ第2番、同第3番、プレリュードOp.28(全曲)の中から1作品で構成され、1名あたり約40分間の演奏が行われました。前日の第2次予選で長大なプログラムを披露されたにもかかわらず、非常に素晴らしい演奏を繰り広げてくださったファイナリストたち。彼らの心身の強靭さには只々驚くばかりでした。

 最初に登場されたのは中村 優似さん。マズルカOp.24とソナタ第3番で、歌心に溢れた、繊細かつ伸びやかな演奏を披露されました。

 続いて阿見 真似子さんです。マズルカOp.33とプレリュードOp.28を選曲。役を演じているかのように表情豊かで生き生きとした演奏でした。

 原嶋 唯さんは、マズルカOp.24とソナタ第3番を披露されました。一音一音の役割が考えられた明快な演奏を聴かせてくださいました。

 次は實川 風さんで、マズルカOp.24とソナタ第2番を演奏。クリアで美しい音色と、呼吸をするように自然な音の流れが印象的でした。

 上原 琢矢さんは、マズルカOp.50とソナタ第3番を披露。各曲ともに旋律の方向性が明確に表現され、円熟した演奏を聴かせてくださいました。

 最後は加藤 大樹さんで、マズルカOp.50とソナタ第2番を演奏されました。気品がありながらも、ドラマティックな表現が興味深かったです。

 

 表彰式では、日本ショパン協会の小林 仁会長とポーランド広報文化センターのマルタ・カルシ副所長より、ファイナリストたちの頑張りを讃える温かなご挨拶をいただき、審査員の遠藤郁子先生による講評では、ピアニストとしてショパンの作品に取り組むための的確なアドバイスを賜りました。

 わずか5日間で、1回のリサイタルを上回るレパートリーを披露しなければならない過酷な状況の中、個性溢れる演奏で最後まで頑張ってこられた若きピアニストたちへ心からの賞賛を贈りつつ、今後さらに羽ばたいて行かれることを大いに期待いたします。

(K.S)


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