日本ショパンピアノコンクール第一次予選の2日目。洗足学園前田講堂では、この日も若きピアニストたちの熱い演奏が繰り広げられました。課題は、エチュードから2曲と、バラード、スケルツォ、幻想曲、舟歌の中から1曲を選曲し続けて演奏するという、高い集中力を求められられる内容でした。出場者の皆様は、作品の細部にまで考え抜かれた素晴らしい演奏を披露してくださり、非常にハイレベルな予選となりました。
前半は9名の出場者が演奏されました。
お一人目の塚越
恭平さんは、エチュードOp.25-5、Op.10-4とスケルツォ第3番で、勢いのある爽やかな演奏を聴かせてくださいました。
続いて登場された内門
卓也さんは、舟歌とエチュードOp.10-5、Op.25-5を選曲。繊細な表現で、歌のように滑らかな音の流れが美しい演奏でした。
横江
智至さんは、エチュードOp.10-1、Op.10-10とバラード第1番を演奏。和声の細やかなニュアンスが美しく表現されていました。
阿見
真依子さんは、エチュードOp.10-1、Op.10-10と舟歌を華やかに演奏され、表情豊かで説得力のある表現を聴かせてくださいました。
次は、安斎
周さん。エチュードOp.10-1、Op.10-10とスケルツォ第3番で、全体の構成がしっかりとした深みのある演奏を披露されました。
浅井
久視子さんは、舟歌とエチュードOp.10-5、Op.10-10を演奏。音色や響き、間の取り方などを絶妙なバランスで表現されていました。
遠藤
隆明さんは、エチュードOp.10-10、Op.10-5と舟歌を演奏され、個性的なアプローチの活きた、新鮮で洒落た表現が印象的でした。
原嶋
唯さんは、エチュードOp.10-10、Op.25-11とスケルツォ第4番を選曲。正統的な表現で、安定感のある演奏を披露されました。
前半最後は、林
香織さん。エチュードOp.10-8、Op.25-6とバラード第3番を演奏され、洗練さと音楽の躍動感が巧みに表現されていました。
9名の方々の確固たる解釈に基づく個性豊かな演奏は、ショパンの音楽に対する情熱がひしひしと伝わり、コンクールということを忘れ大変興味深く聴かせていただきました。
(K.S)