(C) Ariga Terasawa

2024年度/第51回日本ショパン協会賞
受賞者

牛田 智大

 
各年に於けるピアノ演奏会で、フレデリック・ショパン作品に特に優れた演奏を示したピアニストに贈られる<日本ショパン協会賞>。
 
第51回<日本ショパン協会賞>は、選考が3月18日の日本ショパン協会理事会に於いて行なわれ、その演奏や将来性が検討された結果、牛田 智大氏に授与されることが決まりました。

授賞式は、2025年4月25日(金) に開催される予定です。
※なお、本授賞式は関係者限定のため、一般のお客様のご入場はご遠慮いただいております。何卒ご了承ください。

《受賞者コメント》
このたびは日本ショパン協会賞にお選びいただきとても光栄です。昨年10月に行われた、ショパンの「ピアノ協奏曲第1番・第2番(ケヴィン・ケナー&クシシュトフ・ドンベクによるピアノ6重奏版)」の公演では、カルテット・アマービレの皆さん、コントラバスの加藤雄太さんとともにいろいろなアイデアを試し、長時間にわたるリハーサルやツアーを通してたくさんの話し合いをしながら作品に取り組みました。ときおりソロとオーケストラが分離し、典型的な古典派ヴィルトゥオーゾ協奏曲のスタイルに陥ってしまいがちなショパンの協奏曲において、すべてのパートが一体となったときに生まれる構造的・交響的な魅力に光を当てることはできないかーーそんなテーマをもって皆で試行錯誤した結果に、かぎりなく温かいこのような評価を与えていただいたことに深く感謝しております。
わたし個人としては、これまで素晴らしい音楽家の方々が紡いでこられた伝統ある賞をいただくことに大きな責任を感じると同時に、一抹の戸惑いがなかったわけではありません。こんにち日本において我々の世代がショパンや彼の作品について学び、演奏においてさまざまな挑戦ができるのは、なによりもこれまで日本ショパン協会を中心として素晴らしい先生方や諸先輩方が演奏や研究に情熱を注ぎ続けてくださったからこそであり、まさに巨人の肩に立って学び続けることの静かな重みを感じております。これからもショパンという偉大な存在に向き合い続けると同時に、いつか次の世代にも学んだものを引き継いでいけるよう、変わらぬ情熱をもって日々努めていく所存です。本当にありがとうございました。

《プロフィール》 牛田智大 うしだ ともはる
2018年第10回浜松国際ピアノコンクールにて第2位、併せてワルシャワ市長賞、聴衆賞を受賞。2019年第29回出光音楽賞受賞。
1999年福島県いわき市生まれ。6歳まで上海で育つ。
2012年、クラシックの日本人ピアニストとして最年少12歳で ユニバーサル ミュージックよりCDデビュー。これまでにベスト盤を含む計9枚のCDをリリース。2015年「愛の喜び」、2016年「展覧会の絵」、2019年「ショパン:バラード第1番、24の前奏曲」、2022年「ショパン・リサイタル2022」は続けてレコード芸術特選盤に選ばれている。
シュテファン・ヴラダー指揮ウィーン室内管(2014年)、ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管(2015年/2018年)、小林研一郎指揮ハンガリー国立フィル(2016年)、ヤツェク・カスプシク指揮ワルシャワ国立フィル(2018年)、トマーシュ・ブラウネル指揮プラハ交響楽団(2024年)各日本公演のソリストを務めたほか、全国各地での演奏会で活躍。その音楽性を高く評価され、2025年9月には、アンナ・スウコフスカ=ミゴン指揮ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団日本公演のソリストとして7公演に出演。このほか、その音楽性を高く評価され、これまでにプレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管モスクワ公演や、ワルシャワ、ブリュッセルでのリサイタルに招かれるなど活動の幅を広げている。
20歳を記念し2020年8月31日には東京・サントリーホールでリサイタルを行い、大成功を収めた。また2022年3月、デビュー10周年を迎えて開催した記念リサイタルは各地で好評を博すなど、若手ピアニストを代表する一人として絶大な人気を誇っており、2024年に展開すした室内楽プロジェクトには多くの注目が集まった。このほか、英国で開催されたリーズ国際ピアノ・コンクールでは聴衆賞を受賞し、世界中の注目を集め、今後更なる活躍が期待されている。
ローム ミュージック ファンデーション 2023・24年度奨学生。江副記念リクルート財団第53回奨学生。


日本ショパン協会賞受賞者一覧に戻る  「協会について」に戻る

サイトトップへ