2017年の『ショパン・フェスティバル』のテーマは、「ワルツ」。「ワルツ」をテーマとしたピアノ音楽に焦点を当てた、多彩なプログラムが繰り広げられます。
2017年のフェスティバル冒頭のランチタイムコンサートは、松橋朋潤さんの出演となりました。
まずはショパン「3つのワルツ」Op.34から。ショパンの作品のうちでも初期のものというこの「3つのワルツ」はまさにフェスティバル開幕にふさわしく、きらびやか且つ軽快な演奏で一気に観客を引き込みます。
続いてもっとも有名なワルツでもある「小犬のワルツ」Op.64-1。平野弦さんのアレンジ版で、小犬が目一杯元気に駆けまわる様子が目に浮かぶ、躍動感たっぷりの演奏。
次は一転、「子守歌」Op.57でショパンらしい叙情的なメロディーをしっとり響かせました。そして、「英雄ポロネーズ」Op.53では、ショパンのもう一方の特徴である、線の太さを感じさせる演奏。
次は、リスト「巡礼の年 第3年」より「エステ荘の噴水」、そしてメフィストワルツ第1番S.514「村の居酒屋の踊り」。推進力たっぷりに、そして繊細に、リストの響きでまさにこのコンサートのサブタイトル「舞踏への誘い」を感じさせました。
アンコールには、ガーシュウィン「私の愛する男」を楽しそうに、そして茶目っ気たっぷりに。
ホールに華やかなピアノの響きが満ち、満員の観客を湧かせ、あっというまに1時間のランチタイム・コンサートは終了しました。