「ワルツ」をテーマとした2017年の『ショパン・フェスティバル』。この日のランチタイム・コンサートは西原瑠一さんが出演しました。
幕開けはショパンの幻想曲へ短調Op.49。重厚な音で一音一音を丁寧に紡いでいきます。このコンサートのサブタイトルは「ショパン
故郷への想い」となっていますが、まさにそれを体現す
るかのような、深みを感じさせる演奏。
次はショパンのノクターント長調Op.37-2。こちらはしっとりと叙情豊かに。続くショパンのワルツイ短調Op.34-2、ワルツへ短調Op.70-2では、ワルツに秘められた「静、哀しさ」を表すように、音を響かせました。
一転してショパンのワルツ変イ長調Op.34-1「華麗なる円舞曲」では、その名のとおり、華麗且つ軽快に。
そして、リスト「忘れられたワルツ」第1番嬰へ長調、続いて「詩的で宗教的な調べ」第7番「葬送」ヘ短調を演奏。低音から高音までじっくり響かせました。
アンコールは、ショパンのエチュードOp.25-10「オクターヴ」。内省的な音楽をじっくり聴かせてきた西原さんですが、ここでは技巧的なこの作品を軽やかに演奏、観客を湧かせ、ランチタイム・コンサートは終了しました。