5月25日のショパン・フェスティバル2017 in
表参道《ランチタイムコンサート》は、今年3月に上野学園大学音楽学部を卒業したばかりという、高橋優介さんによるピアノリサイタルでした。昼さがりの表参道パウゼにはたくさんのお客様がご来場され、温かい雰囲気の中プログラムが進んでいきました。
ショパン・フェスティバルということでショパン作曲《ワルツ変イ長調Op.34-1》(通称「華麗なる円舞曲」)で華々しく始まったランチタイムコンサート。次に《3つのワルツOp.64》、《バラード第3番変イ長調Op.47》が演奏されました。色彩豊かな和音を奏でたと思えば凛とした音色で聴き手を惹きつける、ショパンの魅力を存分に引き出す演奏でした。
後半のリャードフ作曲《舟歌嬰ヘ長調Op.44》では、たゆたう舟歌の伴奏に浮かび上がるように旋律が奏でられ、非常に美しくまとめられていました。最後のショパン作曲《アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズOp.22》のポロネーズの部分は躍動感がありダイナミックに表現されていて、圧倒されました。優しい話し方をされる高橋さんですが、演奏はその穏やかな雰囲気から想像できないほど迫力がありました。
アンコールにはエルガー作曲《愛のあいさつOp.12》のアレンジを披露されました。高橋さんは作・編曲を行いアンサンブルでの活動もなさっているようで、それぞれの曲への解釈が明確であり、またどの作品にも真摯に向かい合っていることがうかがえる芯のある演奏でした。そして演奏だけではなく人柄の良さを感じるトークにも、これからも多くの方が魅了されていくのではないでしょうか。今後の更なるご活躍を期待しております。