ショパン・フェスティバル5日目のランチタイムコンサートにご出演されたのは、昭和音楽大学大学院に在学及び同附属ピアノアートアカデミーに在籍されている小竹島紗子さんです。本日は『〜「舞踏」の風にのせて〜』と題され、今年のテーマであるワルツを軸に、ショパン、バラキレフ、メトネルの作品で構成された興味深いプログラムで迎えてくださいました。
最初は、ショパンのワルツを2曲(変イ長調Op.34-1とヘ長調Op.34-3)です。くっきりとした艶のある音色で、勢いと躍動感のある演奏を聴かせてくださいました。続く、バラキレフ《憂鬱なワルツ第2番へ短調》では、丁寧な音作りとメランコリックで渋みのある表現がなされておりました。そして、メトネル《8つの情景画》Op.1では、多彩な響きと呼吸をするように伸びやかな表現が美しく、それぞれの曲の情景や空気感が伝わるような演奏でした。最後は、ショパン《アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ》Op.22です。澄んだ音色で水が湧き出るようなアンダンテ・スピアナートと、気高く輝きのあるポロネーズ。爽やかで凛とした演奏を披露してくださり、客席からブラボーの歓声とともに力強い拍手が贈られました。
アンコールに演奏してくださったのは、メトネル《4つのおとぎ話》Op.26の第1番で、クリスタルガラスのような繊細な響きが大変美しかったです。説得力のある演奏で3人の作曲家の特徴を鮮やかに表現されていた聴きごたえのあるコンサートでした。今後のさらなるご活躍を期待しております。
(K.S.)