『ショパン・フェスティバルin表参道』最終日、特別ゲストのウーカシュ・クルピンスキさんによるランチタイムコンサートが開催されました。クルピンスキさんはポーランド出身、ショパン音楽大学を卒業後、現在ハノーファー音楽大学に学ぶ25歳です。2015年ショパン国際ピアノコンクールのセミファイナリスト、昨秋のサンマリノ国際コンクールでは優勝するなど期待の若手とあり、会場には多くの人が来場しました。
プログラムは全曲ショパン作品で構成。〈ポロネーズ第1番〉、《12の練習曲作品25》より第7番、ワルツ第7番と第13番、〈華麗なる大円舞曲〉、スケルツォ第2番、《12の練習曲作品10》より第11番と〈幻想ポロネーズ〉の8曲でした。1時間のプログラムをひとつの深く長い呼吸で弾いているように、落ち着いた音楽です。テンポの揺らぎ、リズムの強調……、自在に作品の表情を引き出していきます。どの演奏をとっても思索的で、旋律の妙味を豊かな音色で演奏されました。
今回が初来日だったクルピンスキさんは、名古屋でも公演を行い、浜松ではピアノ工場を見学、好物のコーヒーとラーメンを堪能し、滞在を過ごされたそうです。アンコールはガーシュウィン《3つの前奏曲》より第3番。本編とは打って変わった曲想の作品で、楽しませてくれました。
(R.K.)